2011.04.10 スーツの起源
普段当たり前のように着るスーツですが、意外とその起源について一般に触れる機会がありませんのでちょっとご紹介!

●スーツの遍歴

スーツが現在のようなスタイルになったのは、今から150年程前(1860年頃)に「ラウンジスーツ」が誕生した時です。ラウンジスーツが登場する以前、上流階級の男性ファッションは、昼はフロックコート、夜は燕尾服という裾の長いものでした。しかし、これら着丈の長い上着ではくつろげない為、裾を切り落とし、上着、ベスト、ズボンの3点が同一の生地で簡略して作られたラウンジスーツが考案されました。(ラウンジスーツの更に原形になる服装が登場したのは、もう200年程さかのぼった1666年10月7日に英国の国王チャールズ2世が「衣服改革宣言」をしたときといわれています。)

現代のビジネススーツの直接の先祖がほかならぬこのラウンジスーツなのですが、「くつろぎの時間に着る服」として誕生した当時は、会社やフォーマルな行事に着ていくことはもってのほか、というくらいのカジュアルウェアでした。(とはいえ、当時のそのようなTPOのルールはあくまで上流階級とそれに近い人々のファッションレベルの話で、その他大勢の一般大衆が着るフォーマルウェアとして着られていたのは、三つ揃いの黒いラウンジ型スーツになってきておりました。)ラウンジスーツが、上流階級の昼間の正装としても堂々と通用するようになるのは20世紀になってからです。二度の世界大戦を経て、着る人の階級や職業を問わず、あらゆる用途に活躍するフォーマルな男性服として昇格と洗練を重ねていくことになります。

一方、黒いフロックコートやモーニングコートに黒とグレーの縦縞のコールパンツという日中の正装は、結婚式など昼間の祝祭行事ために保存された衣服にすぎなくなってきてしまいました。更に、夜の正装の燕尾服(テイルコート)のドレスコードにいたっては皇室や外交官レベルの社交の場くらいでしかお目にかからなくなってしまいました。実は、これらフォーマルにもカジュアル化が進み、日中の正装のモーニングコートはディレクターズスーツへ、夜の正装の燕尾服はディナージャケット(タキシード)へと取って代わってきたのです。ラウンジスーツと同じく、カジュアルな用途を目的に着られていたものが、格式あるフォーマルな正装に昇格してしまった服、それがディレクターズスーツやディナージャケットなのです。<参考文献:スーツの神話/中野香織著書(文春新書)>

簡単ではありますが、このようなスーツの起源を知ればまた新鮮な感覚でスーツを着用できるのではないでしょうか。

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