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一昨日は臨時休業をとって、愛知県の「尾州」に視察研修に行ってまいりました!

「尾州」は、イギリスの「ハダース・フィールド」、イタリアの「ビエラ」と並ぶ世界三大毛織物産地。

しかしながら、最新鋭の高性能高効率の織機を導入し大量に高品位の生地を織るイタリアが、世界中のスーツ生地を席巻しているのがここ最近の現状で、正直、日本の織り元は本当に下火になった印象でおりましたが、尾州の皆さん大変失礼いたしました!!今回認識が大きく変わりました!!!(≧∀≦)/

今回訪問させて頂いた織り元の『山栄毛織』と紡績工場の『サンファインウール』は、日本の底力を見せつける本当に素晴らしい生地と糸を作られておりました!!!(≧∀≦)


それでは、みなさんにも羊の原毛からスーツの生地になるまでの行程をご紹介いたします!!

綿のような状態の原毛から生地は作られるわけですが、その行程は本当に手間ひまがかかっております。
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上の写真のような状態から、下の写真の単糸が紡ぎ出されるまでにも洗浄や染色、そして、何度も何度もコーミングという櫛がけの様な行程を繰り返してあります。この下ごしらえを丁寧にしておかないと、糸が切れやすくなったり染めや織りにムラが出たりするそうです。なんでも下準備が大事ですね。
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どうです!この風景!
無数に並んだ紡績の機械が幾何学的で、まるでアートの世界の様です!!(≧∀≦)
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下の写真の機械で単糸を撚り合わせて双糸や3プライ、4プライなどにしていきます。
撚った後は熱処理をして糸を安定させます。
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いくつもの行程を経て、ようやく生地を織るための糸が完成しました!!(*^O^*)
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そして、上の写真の糸が、生地の織り元へ送られます。
山栄毛織は、創業1915年という老舗中の老舗!!!凄い!!!(≧∀≦)
日本の繊維業界にはこれまで何度も不況の波が襲いかかってきましたが、その中で生き残ってあるのには訳がありました!!
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数百本の縦糸がセットされ、奥の機械に取り込まれていきます。絡まったりしたら大変そうです。(^_^;)
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女性の何気ない糸の扱いのように見えましたが、実はこの方の作業は後の織機での行程にも影響を与える熟練の職人技とのことです。
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いよいよ先ほどの縦糸が送り込まれ横糸と織りあげる機械です。

さて下の写真は、あの『ションヘル織機』です!!

昨年行ったイギリスのミル『テーラー&ロッヂ』で稼働していた旧式の『ドブクロス織機』と同様に『ションヘル織機』で織られた生地は特別なものです。(ToT)

『ションヘル織機』は今から100年ほど前にドイツで作られ、日本でも明治から戦後の復興期かけて活躍しました!!

そんな旧式の低速織機が現役バリバリで稼働しているのです!!凄い!!(≧∀≦)

全てアナログで糸の取り替え時も目視で注意しなくてはならなかったのですが、そこだけは後付けのセンサーで糸切れを感知するように改良を加えてありました。
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下の木製シャトルの中に横糸が仕込まれ、このシャトルをハンマーで打ち出し横糸を通してく仕組み。
その機械の動きも稼働する時のガッチャンガッチャンという大きな音も非常にノスタルジック。(ToT)

なぜ、こんな旧式で生産効率の悪い織機を残しているのかというと、やはりこの低速織機でしか出せない風合いがあるのです!!極端に言うと高速織機で織ると繊維が潰れ薄っぺらくなり、低速織機だと繊維が潰れず空気の含みが多く保温力や風合いのある生地になるのです。
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こちらは『低速レピア織機』。ションヘルに比べると新しいのですが、こちらも旧式の織機。

当然『ションヘル織機』より高速に織れるのですが、風合いを重視するために織る速度をションヘルと同レベルに落として稼働するというこだわりようです!!(ToT)
この自社の強みを理解したこだわりこそが、100年以上も続く理由ではないでしょうか!!!
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それぞれの織機の頭上高くには同じような機械が付いておりますが、これは生地の両端に生地ネーム等をいれる専用のジャガード織りの織機。
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帯状に垂れ下がっているのは、織り模様を決めるプログラムシート。
オルゴールのようなパンチ穴方式の超アナログ方式ですが、とても綺麗に織り上がるのです!!
アナログ万歳!!(≧∀≦)
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タイムスリップしたかのようなノスタルジック感溢れる工場なのですが、創り出される生地のデザインや風合いも驚くほど多彩!!!!!そして、大きい声では言えませんが、実はここで、世界の名だたる超超超ハイブランドの服地が織られているのです!!!本当に驚きです!!!ええええ!!ここで織ってるんですかぁ!!!!って感じです!!!

伝統の技術を駆使し、最先端のニーズと結びつく!!これこそ伝統技術の継承ではないでしょうか!!!(≧∀≦)/
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この古い書は何かと申しますと。
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なんと生地のデザインを書き残したアーカイブなのです!!
こういう昔のデザインを見直すと現代にはない新しさの発見にもなるとのこと。正に伝統の厚みを感じました。
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毎年ヨーロッパへ足を運んで様々な工場やショップ、見本市を観てきましたが、灯台もと暗しとは正にこのことでした。

日本にもこんなに伝統があり新しいものを創り出している繊維メーカーがあるとは、気づきと共に日本人として誇らしくもなりました!!

当店では、伝統の久留米絣も積極的に使用しておりますが、合わせて日本のウール素材も今一度見直していきたいと思います!!!


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